型にはまった演出

nostalji2013-05-21

録画していた時代劇映画『小川の辺』(2011年・東映/監督:篠原哲雄)を観る。海坂藩主の怒りをかって脱藩した佐久間森衛(片岡愛之助)を討つように、戊井朔之助(東山紀之)が家老(笹野高史)から命じられます。森衛は藩内でも一二を争う剣客で、彼に対抗できるのは朔之助しかいなかったのね。森衛は朔之助の妹・田鶴(菊池凜子)の夫で、気が強く剣の腕前もある田鶴が手向かってくることが予想され、場合によっては田鶴も斬らねばならないと覚悟します。田鶴とは相思相愛だったが身分違いから別れた戊井家の奉公人である新蔵(勝地涼)が朔之助に伴を願い出ます。朔之助は森衛を討つために新蔵を伴って旅立ち……
藤原周平の小説を、『山桜』に続いて篠原・東山のコンビで映画化したものです。武家社会のしがらみと男と女の愛情物語が、山田洋次の『たそがれ清兵衛』以来の藤沢時代劇のパターンになっていますね。この作品も型通りです。美しい風景と淡々と進む物語展開は、『山桜』と同じ演出を踏襲しています。藤沢時代劇に浸るだけなら十分満足できるのですが、毎度同じだと物足らなさが出てきますね。歌舞伎役者を除いて、現在では東山紀之が時代劇の一番似合う役者じゃないかなァ。