最後の1冊

nostalji2013-07-16

関川夏央:著の『昭和が明るかった頃』(文春文庫:2004年11月10日第1刷発行)を読了。昭和が明るかった頃、日活も明るくて、吉永小百合を中心にした日活映画の盛衰を分析することで、戦後の日本社会の思想的背景までを分析しています。吉永小百合浜田光夫とコンビで主演した映画で、リアルタイムで観たのは『キューポラのある街』しかないんですが、当時の息吹は肌で感じることができますね。吉永小百合の全盛期だった1962年春から64年秋は、私の中学生時代で、サユリストになった友人が多くいます。私は邦画から洋画へ興味が移る時期で、『キューポラのある街』以後は、大学に入るまで日活作品を観てはいませんが……
今でこそ国民的大女優の吉永小百合ですが、大ヒット作が少ないのに驚きます。観客の抱いているイメージが変化することなく現在まで至っている感じですね。結局、どんな役を演っても吉永小百合なんですな。これは大スターになる条件ね。
それにしても、社会全体が底抜けに明るかったのは、やっぱり東京オリンピック(1964年)までですね。それから先は、色々な歪を抱えながらの成長といえま〜す。
日本から持ってきた文庫本は、これで全て読了しました。