久しぶりの大友はん

nostalji2013-08-02

録画していた『隠密七生記(前後編)』(1956年・新東宝/監督:渡辺邦男)を観る。徳川家康尾張家のために残した遺言書をめぐる戦いを描いた時代劇です。原作は吉川英治ね。
八代将軍・吉宗(中山昭二)に命じられた隠密・相楽三平(若山富三郎)は、名古屋城天守閣から遺言状の入った秘箱を盗み出します。天守閣警護番だった椿源太郎(大友柳太朗)は三平を追って靭峠で対決しますが相討ち。源太郎は三平の腕を斬りますが、脚を斬られて三平に逃げられます。源太郎に惚れた道中師のお駒(島崎雪子)と子分の辰蔵(本郷秀雄)が三平から秘箱を盗み出しますが、遺言書を使って徳川家に内紛を起こそうと考えている豊臣の残党・那美姫(安西郷子)の家臣・鬼堂左源太(阿部九洲男)に奪われます。三平は江戸から来た隠密組の応援で、左源太から秘箱を取り返しますが、源太郎が碓氷峠待ち伏せます。追ってきた豊臣残党、それに隠密組が加わって三つ巴の大立回りで、後編に続きます。
後編も前編同様に秘箱があっちに行ったりこっちに行ったりしてチャンバラの連続ね。結局、秘箱を取り返した源太郎が、争いのタネである遺言状を焼きすてて収束。源太郎は武士を辞めてお駒と旅立つのです。
前編ではチャンバラシーンの少なかった大友柳太朗が、後編では斬って斬って斬りまくります。逆にワカトミの陰が薄くなり、阿部九洲男にアッサリ斬られてしまう仕末。ご都合主義の展開で内容的にはウ〜ンなのですが、大友はんのチャンバラをたっぷり見ることができたので是としましょう。ラストでは島崎雪子とデュエットで歌まで披露するしね。大友柳太朗は東映専属ですが、この作品のプロデューサーが東映の重役・牧野光雄の弟・牧野真三だったことから東映が貸し出したんですね。画像は、島崎雪子・大友柳太朗・安西郷子。