最終作だが

nostalji2013-09-13

録画していた『無宿人御子神の丈吉・黄昏に閃光が飛んだ』(1973年・東宝池広一夫)を観る。妻子を殺した3人の男のうち、2人は1部と2部で復讐したので、いよいよ国定忠治と対決かと思いきや、忠治が登場しません。忠治に頼まれて御子神の丈吉(原田芳雄)を殺しに来た風車の小文治(夏八木勲)との対決と友情の物語ね。
小文治は腕を風車のように回しながら閃光のように出刃包丁を投げる必殺技があります。だけど、労咳を患っており、先は長くないのね。ヤクザになる前は百姓で、その時に惚れた名主の娘お春(小川節子)に再会し、悪親分の下初雁の唐蔵(鈴木瑞穂)の手から守ろうとするのですが……
話の中心は風車の小文治で、丈吉は喀血した小文治を助けたことから、唐蔵との争いに巻き込まれるんですな。悪ヤクザに乱暴されそうになったところを丈吉に救われ、丈吉に纏わりつく鳥追い女お八重(安田道代)は、いてもいなくてもいい存在。復讐物語から同じ作者(笹沢左保)の『木枯し紋次郎』と同じ巻き込まれ型になっています。主人公を二人にしたことからアクションシーンが分断(継ぎが悪い)され、間延びしてますね。
シリーズとして続けようと考えたのかもしれませんが、平凡な出来(テレビ時代劇と大差なし)で観客は映画館に足を運びませんよ。