西部劇ビデオの『荒野のアウトロー』(1985年/監督:ウィリアム・A・グレアム)を観る。ノースフィールドでの銀行襲撃に失敗した後のフランクとジェシーのジェームズ兄弟を描いた作品です。
テネシー州ホワイトロックで農夫として暮らしていたフランク(ジョニー・キャッシュ)とジェシー(クリス・クリストファーソン)のところへ昔の仲間であるディック・リデル(アンディ・スタール)が訪ねてきます。悪事から離れていた二人でしたが、さっそく銀行強盗をやらかし再び悪の道へ。二人に憧れるボブ・フォードという若者が仲間に加わりますが……
ジェシーを暗殺したボブ・フォードが殺されるまでを、ドキュメンタリー・タッチの描いた解りやすい内容になっています。サラ・ハイト(マルシア・クロス)とジェシーの不倫は彩をつけるためのフィクションでしょうが、サラが身持ちの悪い女性だったことは事実です。サラが原因で、仲間のウッド・ハイトとディック・リデルが争いになり、ボブ・フォードがウッドを殺してしまうのですが、ジェシーに信頼されているウッドを殺したことからボブはジェシーに殺される恐怖を感じて裏切る(賞金だけが目的ではない)のは、ブラッド・ピット主演の『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007年/監督:アンドリュー・ドミニク)にも描かれていましたね。『ジェシー・ジェームズの暗殺』と比べると軽い作品ですが、ウィリアム・A・グレアムは適確な演出で上手く仕上げています。
テーマソング「ジェシー・ジェームズのバラード」を歌っているのはジョニー・キャッシュね。自首したフランク・ジェームズの裁判で、フランク側の証人シェルビー将軍役でウイリー・ネルソンも特別出演しています。1980年代は、カントリー歌手が西部劇に積極的に出演していま〜す。