昨日の続きで

nostalji2013-10-24

時代劇ビデオの『御存じ快傑黒頭巾・神出鬼没』(1956年/監督:深田金之助)を観る。プロシャから贈られた火焔砲を黒頭巾(大友柳太朗)によって破壊された幕府は、多門弥五郎(清川荘司)に命じて、火焔砲発明者の遺児ゲルダ(三笠博子)を訪ねて再度手に入れようとします。ゲルダが宿泊しているホテルで印度人に変装した黒頭巾に邪魔されるものの、ゲルダから父の遺品・飛龍の壺を手に入れることを条件に火焔砲譲渡の約束を取りつけるのね。飛龍の壺はゲルダの父と親交のあった山鹿士行(永田靖)が所持しており、ゲルダに返還するために開港地新潟へ。関所で足止めされた士行をヤクザに変装した黒頭巾と益満休之助(加賀邦男)が騒ぎを起こして救います。それもつかの間、士行は弥五郎に捕えられます。しかし、危険を感じた士行は事前に飛龍の壺を隠し、その場所の地図を弟子の駿太少年(山手弘)に渡していたのね。弥五郎に追われた駿太は、英国通事スミスに変装した黒頭巾に助けられ、異人館に匿われます。易者の天命堂や艶歌師に変装して士行の行方を捜していた黒頭巾は、黒頭巾に恋して近づいてきた幕府隠密のお藤(長谷川裕見子)から士行の幽閉場所を聞きだし、救出へ。髭男に変装して士行を救けだしますが、その頃、駿太は弥五郎に地図を奪われます。黒頭巾は士行の息子・弦一郎に戻り、隠し場所へ。幕府役人と大立回りの末、弥五郎を倒してメデタシ、メデタシです。
大友柳太朗の快傑黒頭巾は、1953年の『快傑黒頭巾』に始まり、全部で9本あります。2作目は快傑黒頭巾でなく、『快傑まぼろし頭巾』(1954年)ね。原作も高垣眸でなく加藤泰なんですが、主人公は黒頭巾で、後年の黒頭巾と同様に易者やインド人など八変化します。ただ黒頭巾の名前や易者の名前は変えてありますけどね。山鹿弦一郎や天命堂などの名前の許諾が得られたので、以後の作品は高垣眸原作となっていますが、物語構成は加藤泰のものです。
“御存じ快傑黒頭巾”と銘打って、55年に『マグナの眸』『新選組追撃』『危機一発』、56年に『神出鬼没』が作られました。片岡千恵蔵の“七つの顔の男”が大ヒットしたので、時代劇で二匹目の泥鰌を狙って大成功といったところでしょうか。58年の『快傑黒頭巾』からカラー・シネスコとなり、59年の『快傑黒頭巾・爆発篇』、60年の『危うし!快傑黒頭巾』で終了。“七つの顔の男”が、そのバカらしさから飽きられたのと同様に、“快傑黒頭巾”も同じ運命ね。ちなみに、第1作だけが、高垣眸の原作通りで〜す。