本日も

nostalji2013-11-10

ビデオに録画保存していた『ザッツ・ハリウッド〜60年代のミュージカル映画』を再見。60年代は、いろんな意味でミュージカル映画が大きく変化した時代でした。衝撃をあたえたのが、『ウエスト・サイド物語』(1961年/監督:ロバート・ワイズ)ね。それまでのミュージカルが流麗なダンスを見せていたのに対し、この作品ではビート感あふれるダンスが繰り広げられます。舞台の映画化ですが、ロバート・ワイズは『踊る大紐育』(1949年/監督:ジーン・ケリースタンリー・ドーネン)以来の本格的ニューヨーク・ロケを行い、ダイナミックな映像が展開します。カメラは動かさずフルショットで踊りの良さをそのままとらえる従来の撮影方法でなく、カット割りした大胆な演出を見せています。私がリアルタイムで観た最初のミュージカルで、当時の若者がシビレたように私もシビレましたねェ。ロバート・ワイズは、次作の『サウンド・オブ・ミュージック』でも大ヒットをとばしますが、68年の『スター!』でコケます。
ワーナーは、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化で『マイ・フェア・レディ』(1964年/監督:ジョージ・キューカー)が大ヒットしますが、67年の『キャメロット』は製作費の割に興行成績は芳しくなく赤字。
ディズニーの『メリー・ポピンズ』(1964年/ロバート・スティーブンソン)は映画ならではの特撮ミュージカルで大ヒットしますが、ユナイトの『チキ・チキ・バンバン』(1968年/監督:ケン・ヒューズ)は興行的に失敗。
MGMは、58年の『恋の手ほどき』(監督:ヴィンセント・ミネリ)以後めぼしい作品はなく、68年の『チップス先生さようなら』(監督:ハーバート・ロス)は話題にならず、ミュージカルから“さようなら”しました。
69年の『ペンチャー・ワゴン』(監督:ジョシュア・ローガン)と『暁の出撃』(監督:ブレイク・エドワーズ)はパラマウントの屋台骨を揺るがすほどの大コケとなり、ミュージカルは製作費のかかるリスクあるジャンルとして、70年代には消滅で〜す。