西部劇への招待

nostalji2013-11-14

ビデオで『American CINEMA VOL3』(1996年/監督:サーシャ・アルバート)を観る。“アメリカン・シネマ”シリーズは、アメリカ映画100年の歴史を、名作の一場面、名監督や俳優たちの証言によって、振り返るという趣旨のもとに製作されたものです。
 全部で10章から成り立ち、2章ずつビデオに収録されています。ウエスタンは第5章にあり、第6章の戦争映画とのカップリングになっています。単に名場面を見るだけでなく、関係者(クリント・イーストウッドジョン・スタージェスバッド・ベティカーエルモア・レナードアーサー・ペンアンソニー・マンジョン・フォードハワード・ホークスジェームズ・コバーンジョン・ウェインなど)の証言で西部劇の歴史や背景がわかるようになっています。それに、名作西部劇の製作裏話や、製作意図がわかって楽しいですよ。
収録作品は、表紙画像のウィリアム・S・ハートのものを除いて、DVD発売されているものばかりで入門用には最適です。
現在では、西部劇というジャンルは消滅し、新しい西部劇の製作は殆ど行われていません。しかし、映画史の中では、確固たる位置を占めているのです。何故なら、西部劇はこれまでに2万本以上も作られ、映画史の中で重要な役割を果たしてきたからです。
世界最初のストーリーを持った映画は、1903年の『大列車強盗』という西部劇でした。そして、ハリウッドで初めて撮影された長編映画は、1913年の『スコオマン』という、これまた西部劇でした。『大列車強盗』以前には、バファロー・ビルの“ワイルド・ウエスト・ショー”の様子を収めた記録映画が大ヒットしています。西部劇は、遠くサイレントの時代から、アメリカ国内はもとより、世界中の人々に最も親しまれたジャンルなのです。このことは、アメリカ映画そのものである西部劇が、他国においても作られている事実が証明しています。そして、西部劇は娯楽作品として他のジャンルへ強大な影響を与えただけでなく、映画芸術のためにも絶大な貢献をしてきたので〜す。