気になったので

nostalji2013-11-28

西部劇ビデオの『遠い太鼓』(1951年/監督:ラオール・ウォルシュ)を再見。セミノール・インディアンとの戦いを描いた『最後の酋長』(1953年/監督:バッド・ベティカー)を観た時に、同じセミノール戦争を扱っていたことを思いだしたからです。『最後の酋長』が実話をベースにしていたのに対し、こちらはリチャード・タフツの体験記という形をとっているものの、単純アクション映画ね。
陸軍のテイラー将軍に協力するためにタフツ海軍中尉(リチャード・ウェッブ)が、ワイアット大尉(ゲーリー・クーパー)を訪ねるところから物語は始まります。ワイアットは本隊と離れて子どもと一緒にクリーク族の小島で暮らしているのね。精鋭部隊を率いてオキチョビー湖を船で横切り、セミノール族の補給基地である武器商人の砦を奇襲するというのがワイアットの作戦です。
砦を爆破して捕まっていた民間人を救出するまでが最初の見せ場で、セミノール族の追撃で草原を焼いて一時は難を逃れるものの、迎えの船に乗ることが出来ず、エバーグレーズの森林湿地帯に逃れることになります。エバーグレーズでのロケが効果をあげており、セミノール族の酋長とナイフによる水中での決闘まで、工夫をこらしたアクションに次ぐアクションの連続で、ラオール・ウォルシュの本領発揮です。
クリーク族の妻が白人兵士に殺されたという過去を持つワイアットが国に対して怨みを持たず、任務を遂行するというのは、アメリカの正義を代表するようなゲーリー・クーパーを主演にしたご都合主義的白人愛国主義ね。砦で救出されたマリー・アルドンがクーパーと愛しあうようになり、最後は彼の住む小島で暮らすというラストは、ステロタイプのロマンス。古いタイプの西部劇ですが、ラオール・ウォルシュのアクション演出だけは見応えがありま〜す。