理にかなった殺陣

nostalji2014-03-20

録画していた時代劇『宮本武蔵・般若坂の決斗』(1962年/監督:内田吐夢)を再見。姫路城に幽閉されていた武蔵(中村錦之助)は剣の道を志し、花田橋で待っていたお通(入江若葉)を振り切り、旅立ちます。それから2年後、武蔵は京の吉岡道場へ。当主・清十郎(江原真二郎)は、弟子の祇園藤次(南廣)とお甲(木暮実千代)の茶屋で遊興三昧。目当てはお甲の娘・朱美(丘さとみ)ね。武蔵は清十郎への1年後の再訪を約した書状を残して奈良へ。奈良の宝蔵院で阿厳(山本麟一)を一撃で倒した武蔵は、奈良の町に巣くう浪人たちから仲間になるように誘われるが一蹴します。武蔵に恨みを抱いた浪人たちは宝蔵院を煽る文書をバラ巻き、宝蔵院の胤舜(黒川弥太郎)たちと般若坂に武蔵を誘き寄せますが……
浪人たち相手の立回りが見せ場です。走りながら、敵に取り囲まれないように一太刀で斬っていくのね。それまでの東映チャンバラは、取り囲んでかかってくる相手をバッタバッタと斬りまくる殺陣でしたが、いくら剣豪でも囲まれて背中から斬りこまれたら勝てませんよ。様式美のチャンバラも、それなりに楽しいのですが、剣豪の殺陣はリアルじゃないとね。『般若坂の決斗』の殺陣が、後年の『十三人の刺客』などの集団時代劇の殺陣につながっていきま〜す。