脇道エピソード

nostalji2014-04-10

録画していた『仁義なき戦い・広島死闘篇』(1973年・東映/監督:深作欣二)を再見。荒んだ生活をしていた山中(北大路欣也)が傷害罪で入獄し、前作冒頭で縄張荒しの流れ者を射って入獄していた広能(菅原文太)と知りあいます。呉では山守組と土居組が対立していた時、広島では大友組と村岡組の間で、大友組長(加藤嘉)の息子・勝利(千葉真一)が村岡組の松永(成田三樹夫)や江田(山城新伍)と対立。出所した山中は、ひょんなことから勝利(千葉真一)率いる愚連隊に袋叩きにあい、村岡組長(名和宏)の姪で戦争未亡人の靖子(梶芽衣子)に助けられ、それが縁で村岡組の身内になるのね。靖子との関係が深くなった山中は村岡に咎められ、松永(成田三樹夫)に命じられて九州へ。そこで殺し屋として名を高め、靖子との関係も許され、広島に帰ってきます。勝利はテキ屋に甘んじている父親に見切りをつけ、村岡の兄弟分である時森(遠藤辰雄)を抱きこみ、博徒大友組を結成。自ら先頭にたって村岡を襲撃しますが、山中の働きで失敗し、関西へ逃亡します。山守(金子信雄)を頼って逃げた時森を追って、山中は呉で広能と再会。広能は呉で時森を殺させるわけにいかず、広島で引き渡すと約束しますが山守の横やりでそれが果たせず、子分の島田(前田吟)が時森を暗殺します。大友組の残党を殺しまくる山中は警察に捕まり、無期懲役となりますが、刑務所で村岡の舎弟・高梨(小池朝雄)から村岡によって靖子が再婚させられたという話を知らされ脱獄。家には靖子がおり、山中は村岡への猜疑心を詫び、広島に舞い戻って村岡組に報復を開始した勝利をつけ狙います。山中に撃たれた勝利は負傷して警察に逮捕され、警察に追われた山中は自分を騙した高梨を射殺して松永のところへ逃げ込みますが、松永から靖子の再婚の話は全て真実だったことを知らされるのね。誰も信じられなくなった山中は、警察の包囲網の中で自殺するのです。
広能と山守の確執を中心にヤクザ社会の欲望と虚しさを描いていくシリーズにあって、第2作目は異質な内容となっています。別に広能と山守を登場させなくても独立した作品として成立するんですな。男と女の恋情を描いているのも、シリーズではこの作品だけです。
俳優の中では、狂犬のような千葉真一がグッド。暴力のエネルギーに満ち溢れていましたよ。前田吟のヤクザ役は珍しいですが、それなりに似合っていましたよ。主要キャストでは、名和宏が前作の土居組長役に続いて、村岡組長役で登場。本来なら、河津清三郎あたりが村岡役にうってつけだと思うんですがね。2作目までは、キャストに違和感はありませ〜ん。