不毛な抗争

nostalji2014-04-12

録画していた『仁義なき戦い・頂上作戦』(1974年・東映/監督:深作欣二)を再見。明石組系の打本組と広能組、神和会系の山守組の対立は激化し、広能(菅原文太)と打本(加藤武)は中立的立場でいる義政会の岡島(小池朝雄)を味方に引き入れます。呉では広能組の河西(八名信夫が山守組傘下の槙原(田中邦衛)の手のものに殺され、広島では山守組系早川組の杉本(夏八木勲)が女(渚まゆみ)をめぐって打本組の福田(長谷川明男)を惨殺したことから、広能は明石組の岩井(梅宮辰夫)の発案で河西の葬儀を名目に全国各地から応援を集め、一気に山守組に攻め込もうと考えます。しかし、打本が山守組の武田(小林旭)に拉致され計画を吐いたため、広能は別件で逮捕されるのね。以後も広能組と槙原組の間で血の応酬が繰り広げられ、広能組の竹本(黒沢年男)たちが傷害罪で逮捕されます。義政会の岡島は愚連隊の川田(三上真一郎)を買収し、山守組との対決を決心しますが、山守組の鉄砲玉(志賀勝)に殺されます。弱腰で何もしない打本に業を煮やした義政会の若頭・藤田(松方弘樹)や打本組の若者(小林稔侍)たちが、山守組の江田(山城新伍)や早川(室田日出男)のバーを襲撃。度重なる暴力事件に警察は組長クラスの一斉検挙に踏み切り、抗争事件も終結を迎えます。実り無き戦いに、広能と武田は裁判所の廊下で互いに虚無感を感じるのです。
登場人物がやたらと多く、全体的に印象の薄いものになっています。ポイントとなるエピソードには、黒沢年男夏八木勲、長谷川明男、小林稔侍、小倉一郎といった新しい顔を配していますが、エピソードそのものに厚みがありません。ドキュメンタリー・タッチを強調した結果なのでしょうが、映画としての完成度は前作の『代理戦争』の方が優れていま〜す。