勘だけの捜査だが

nostalji2014-05-12

ビデオに録画保存していた『二十一の指紋』(1948年・大映/監督:松田定次)を観る。波止場で身投げしようとしていた女(喜多川千鶴)を助けた片目の運転手(片岡千恵蔵)は、女を家まで送るが不審を抱いてその家に忍び込みます。女の姿は見えず、殺人死体を発見するんですな。現場には南洋の短剣とモルヒネの注射液が残されており、探偵・多羅尾伴内となって笠原警部(大友柳太朗)を訪ね、現場には二十一の指紋が残されていたことと、家政婦の里見珠江が行方不明で容疑者であることを知ります。かねてから里見珠江を捜していた皆川弁護士(斎藤達男)へ押し売り的に捜査依頼を引き受けた伴内は何者かに撃たれますが、傴僂の男に変装して難を逃れます。モルヒネ中毒の老人となってスラム街に現れ、舞踊団のナナ(日高澄江)がモルヒネを所持しており、飯島男爵(高田稔)の秘密クラブに出入りしているのを知るのね。
土屋男爵となって飯島を訪ね、そこで南洋探検家だった重松子爵の娘・きみ子(喜多川千鶴の二役)と会います。腹話術師となってナナに近づき、舞踊団にモルヒネ中毒だった踊り子がいたことをつきとめ、彼女が里見珠江で重松きみ子の異母妹であることがわかります。重松子爵の遺産管理人だった皆川弁護士は何者かに殺されますが、遺書は伴内が手に。ナナの話から飯島は麻薬密売団のボスで、殺された男がその一味だったことがわかり、秘密クラブのショーで腹話術師となって現れた藤村大造は、腹話術の人形を使って言葉たくみに一味の指紋を採取するのね。そして、麻薬密売団の仲間割れによる殺人と、重松子爵の財産をめぐる殺人を、最後に二挺拳銃の藤村大造となって真相を暴くのです。ある時は……、またある時は……の決め台詞の確立で〜す。