後味はやっぱりマカロニ

nostalji2014-05-17

ビデオに録画保存していた西部劇『風の無法者』(1967年/監督:ジョルジョ・ステガーニ)を観る。銀鉱山に運んでいた給料をカドリップ(リー・ヴァン・クリーフ)に盗まれたノバック(アントニオ・サバト)は、盗まれた金を探しに行ってカドリップと出会い親しくなります。給料は保険がかかっており、ノバックが保険金を受取って帰る途中、強盗団に襲われて護衛の保安官が負傷。同行していたカドリップの活躍で強盗団を撃退します。その強盗団はバートン(ゴードン・ミッチェル)の一味で、バートン強盗団が10万ドルの銀の延べ棒を狙って鉱山町を襲うことが予想され、カドリップは保安官に任命されるのね。カドリップの相棒の偽説教師(ライオネル・スタンダー)と黒人は銀の延べ棒の横取りを考えており……
リー・ヴァン・クリーフは銃にものを言わせて金を奪うのでなく、駅馬車の座席の下に隠されている給料を床を切り抜いて奪ったり、カバンをすりかえて保険金を奪おうとしたりして、愛すべき無法者を演じています。ゴードン・ミッチェルが人質にとった住民と、銀の延べ棒の箱をいっぺんに取り換えるのでなく、待ち伏せする時間を整えるために、一人と一箱の交換で時間を稼ぐという知恵者ぶり。町の娘(グラツィエラ・グラナータ)に恋心を抱いて善人になろうとするところは、本場西部劇に近い作りですね。リズ・オルトラーニの音楽もマカロニ風でなく、本場風。
クライマックスの強盗団と住民たちとの大銃撃戦は、いろいろ見せ場を用意していますが、一人残ったミッチェルが櫓の上から住民を狙い撃ちにして、意味もなく次々に住民が殺されていくのは頂けません。サバトが測量用の望遠鏡をライフルに取りつけて狙撃し、最後に画像の四人が銀の延べ棒をはさんで対決ね。ライオネル・スタンダーと黒人役者(IMDbにもクレジットがなく、俳優名不明)の性格付けがうまくできておらず、唐突的で後味が悪いで〜す。