酷い焼き直し

nostalji2014-06-09

西部劇DVDの『パウダー・リバーの対決』(1953年/監督:ルイス・キング)を観る。劇場未公開作品で、ずっと以前にテレビで放映されたのを観て以来の再見です。その時の邦題は『パウダー・リバーの決闘』ね。
買い出しにパウダー・リバーの町にやってきたチノ(ロリー・カルホーン)は保安官を殺して酒場に立て籠もった酔っ払いを捕まえ、保安官になるように要請されるが断ります。しかし、金採掘のキャンプに戻ると相棒が殺されて金が奪われており、犯人捜しのために町に戻って保安官に就任。町に行く前にキャンプで馬の交換を無理強いしてきた男たちを追っ払ったのですが、彼らが戻ってきて殺したと考えるんですな。保安官になったチノは酒場女のフレンチ(コリンヌ・カルベ)をイカサマ賭博で逮捕したことからフレンチと親しい無法者のミッチ(キャメロン・ミッチェル)と知りあい、親しくなります。ミッチは有能な外科医でしたが脳腫瘍ができて自暴自棄の生活をしているのね。そんなミッチを訪ねて婚約者のデビー(ペニー・エドワーズ)がやってきますが……
名作『荒野の決闘』を換骨奪胎した作品として印象に残っています。『荒野の決闘』はスチュアート・N・レイクの原作をもとにした『フロンティア・マーシャル』(脚本はサム・ヘルマン)をリメイクしたものなのですが、この作品もそうね。レイクの名も、ヘルマンの名もクレジットされています。元ネタは同じでも、ジョン・フォードとルイス・キングでは雲泥の差ね。詩情もなにもありゃしない。全てにおいてひどく見劣りしま〜す。