知っていながら未見だった

nostalji2014-07-04

YouTubeでB西部劇『ホパロング・キャシディ(Border Patrol)』(1943年/監督:レスリー・セランダー)とテレビ西部劇『ワイルド・ビル』を観る。
ウィリアム・ボイドが主演したホパロング・キャシディは、アメリカでは有名な西部劇ヒーローで、全部で70本近くあります。1930年代はパラマウントが配給権を持っていましたが、40年代にユナイト社に権利が移ります。さらに、テレビ創生期には『われらのキャシディ』として、旧作映画を再編集して前後編(当時の放送枠は30分だった為)に分けて放映されました。日本でも1958年に日本テレビ系列で放映されましたが私は未見。
今回観た『Border Patrol』は、追われていたメキシコ人が撃たれ、その場に居合わせたキャシディ(ウィリアム・ボイド)と相棒のカリフォルニア(アンディ・クライド)とジョニー(ジェイ・カービー)は犯人に間違われてメキシコの警察へ行きます。3人がテキサス・レンジャーだったことから署長(ダンカン・レナルド)はすぐに釈放し、国境付近で多くのメキシコ人が行方不明になっていることを告げます。国境近くのシルバーバレットの町は他所者立ち入り禁止でしたが、3人が乗りこんで、鉱山でメキシコ人を強制労働させていることをつきとめます。
西部劇研究家のG・N・フェニンとW・K・エヴァソンが述べているように、悠揚迫らぬ話の運びがスピード感と迫力に満ちたクライマックスへ一挙になだれ込む構成が鮮やかです。クライマックスシーンは、猛スピードの移動撮影ショットと、超俯瞰ショットによる疾走アクションが伴奏音楽との相乗効果によって興奮が盛り上がるんですね。ジョニー・デップの『ローン・レンジャー』(2013年/監督:ゴア・ヴァービンスキー)のクライマックスシーンと同じ感じです。内容は常に同一パターンにもかかわらず長期にわたって観客に支持された理由がわかりました。
ちなみに、今回観た作品には、悪党の手下役で端役時代のロバート・ミッチャムが顔を見せていましたよ。キャシディにアッサリ撃ち殺されます。画像は、ホパロング・キャシディのウィリアム・ボイド。
ガイ・マディスン主演のテレビ西部劇『ワイルド・ビル(Adventures of Wild Bill Hickok)』は、西部劇ブームの頃(1961年〜63年)に読んだ特集雑誌で、これから放映予定の作品として紹介されていて期待しましたが、結局未放映となった西部劇です。ワイアット・アープと並ぶ名保安官のワイルド・ビル・ヒコックですが、内容は連邦保安官のヒコックが相棒と旅をしながら悪党退治する史実とは関係ない御子様ウエスタンでした。相棒はジョン・フォードの『駅馬車』で馭者役だったアンディ・デバインね。