テレビ俳優と映画俳優

nostalji2014-10-19

西部劇DVDの『ガトリングガン』(1971年/監督:ロバート・ゴードン)を観る。日本未公開作品です。
マルコム中尉(ガイ・ストックウェル)率いる騎兵隊が、ガトリングガンを奪って逃げたスニード隊員(ロバート・フラー)、ハーパー牧師(ジョン・キャラダイン)と娘のレオナ(バーバラ・ルナ)を捕まえます。ハーパーはガトリングガンでアパッチが虐殺されるのを防ぐために、スニードはアパッチの土地にある金鉱を手に入れるためにガトリングガンをアパッチに渡そうとしていたんですな。マルコム中尉はガトリングガンを駐屯地に運ぶことにします。途中でアパッチの襲撃から身を守っていたボランド一家が加わりますが、行く手にはトゥー・ナイフ(カルロス・リヴァス)率いるアパッチの一団が待ち受けており……
ガトリングガンは撃針が抜かれていて使えないというのがミソ。アパッチがそれに気づくのが早いか、撃針を隠した人物を見つけるのが早いかが焦点なのですが、演出が凡庸なのでサスペンスが盛り上がりません。ガトリングガンでアパッチの大群を全滅させるラストも平板で迫力なし。騎兵隊スカウト役のウッディ・ストロードは存在感があったのですが、ボランド一家長男役のパトリック・ウェインは見せ場なしね。もっと酷かったのが、さえない悪役のロバート・フラーでした。
ロバート・フラーはテレビ西部劇『ララミー牧場』で人気が出たのですが、映画ではサッパリ。それでも『ララミー牧場』直後の映画出演『荒野の対決』や『続・荒野の七人』では主役や準主役だったんですけどね。しかし、『エマージェンシー』(日本では放送されなかったが1972年から78年まで続いた人気番組)では、主役の一人を務めており、しょせんテレビ俳優なのね。
日本では映画俳優といえるのは高倉健吉永小百合だけで、テレビ俳優も映画俳優も区別はありませんが、アメリカでは明確に分かれていますね。テレビで人気スターになっても、主演できるのはTVムーヴィか低予算映画。テレビは格下の扱いで〜す。