弱体悪役で魅力なし

nostalji2014-10-20

西部劇DVDの『銀の鞭』(1953年/監督:ハーモン・ジョーンズ)を観る。日本未公開作品です。
駅馬車護衛の(デール・ロバートソン)は、社長のボウエン(ジェームズ・ミリカン)を説得して、仕事に不満をもっている若い馭者ジェス(ロバート・ワグナー)を駅馬車の馭者に任命します。駅馬車は7人組の強盗に襲われ、ジェスは逃げるようにレースに命じられますが、レースを助けようとして負傷し、乗っていたレースの恋人(ローラ・オルブライト)が流れ弾に当たって死に、積んであった金塊が奪われます。レースは3人を撃ち殺し、4人を追跡。ジェスはボウエンに帰社するように命じられますが、トム保安官(ロリー・カルホーン)の追跡隊に加わります。レースと追跡隊は2人を撃ち殺し、1人を逮捕。強盗犯を殺そうとするレースと裁判にかけようとするトムの意見の食い違いから、レースは行方を見失った残る1人を独りで追いかけます。ジェスは命令違反を理由に駅馬車会社をクビになり、町を去ろうと考えますが、恋人(キャスリン・クローリン)のためにやり直す決意し、トム保安官の助手になります。最後の1人の行方がわかり……
原作は、『シェーン』のジャック・シェーファー。ジェスの成長物語で、銀の鞭は一人前の駅馬車馭者の象徴です。拳銃で片をつけようとするレースと法によって処理しようとするトム、この二人に追われる悪党たち(俳優)が貧弱なので、追跡劇が盛り上がりません。ハーモン・ジョーンズの演出は、ほどけないように縛った縄を濡らしたり、藪に隠れた悪党を藪に火をつけて炙り出したりする細かなところを見せていますが、全体的に平板的で、クライマックスのリンチ騒動も緊迫感なし。題材はよくても凡作で〜す。
画像は、若き日のロバート・ワグナー。ディカプリオじゃないよ。