著者に惹かれて

nostalji2014-10-26

日本人は歴史好きな国民。ハウツー物から専門書まで歴史関係の出版は世界一のような気がします。テレビでもBSで歴史関係の番組が色々あります。私はBSプレミアム『英雄たちの選択』が好きで、録画して必ず観ているのですが、この番組の司会をしているのが磯田道史。歴史の専門家だけでなく、政治学者や心理学者など多方面の専門家が英雄の行動を分析するのが面白いんです。磯田道史は、前番組にあたる『BS歴史館』に出演した時からユニークな発言をしており、司会者になっても変わらない発言で興味を持っていました。
でもって、磯田道史:著の『歴史の愉しみ方』(中央新書:2012年10月25日初版発行)を読了。
第1章は“忍者の実像”で、岡山藩池田家の「侍帳」により抱えていた忍者の数がわかります。慶長18(1613)年には61人いたのが宝永期(1705年頃)には17人に激減。池田家は領地が減らされ、平和な時代になったこともあってリストラされたんですな。幕末期でも10人いるんですよ。幕末を舞台に忍者が活躍する小説があっても不思議じゃないですね。さらに、「赤穂書付入」によると、浅野内匠頭の刃傷事件を知った岡山藩は忍者を送って赤穂藩の様子を探らせています。赤穂藩士の籠城戦に備えて図面まで作成。岡山藩の忍者が、現地で姫路藩龍野藩との忍者と情報交換していたというのは驚きです。『忠臣蔵』の話のタネにつかえますね。2章・3章にも歴史雑学通として使えるネタ満載。
第4章は“震災の歴史に学ぶ”で、大地震津波対策への啓蒙になっています。さまざまな古文書に残されている記録から、日本は100年毎に大地震津波があり、500年毎に超大地震津波が襲っているとのこと。現在は500年目の周期に入っており、超大地震津波は想定しておく必要があります。彼の意見は、数多くの古文書研究に裏打ちされたもので説得力がありま〜す。