健さんのカリスマ性

nostalji2014-11-20

健さん関係の物を引っ張り出して眺めている。私は初めて見た高倉健の映画を憶えていません。『宮本武蔵』の小次郎役は憶えていますが、それ以前に片岡千恵蔵のギャング映画で何本か見ています。早い話、題名が出てこないほど印象に残っていないのね。
意識しだしたのは、団塊の世代なら誰でも同じ、学生時代の“網走番外地”“日本侠客伝”“昭和残侠伝”のシリーズからです。経済成長の名のもとに合理的機能主義の歯車として人間性の喪失を感じ始めた時、近代が失った前近代の世界で最も人間らしく行動する主人公に共鳴しました。「泣かぬ、笑わぬ、渡世の義理」という武士道にも似たキャラを健さんは見事に体現していました。
とにかく、健さんの顔がいいのね。男の顔ですよ。現代人にはない顔ね。ソース顔や醤油顔とか、野菜系や肉食系とか、いろいろ分類されますが、そんなものは超越した存在ね。上記の3シリーズを健さん以外の他の俳優が演じていたら、あれほど当時の知識人や学生たちが共鳴したか疑問です。私にとって、健さんは橘真一であり、花田秀次郎なので〜す。