健さんを偲んで

nostalji2014-11-21

録画していた『網走番外地・南国の対決』(1966年/監督:石井輝男)を観る。私がリアルタイムで観たシリーズ最初の作品は第8作目の『網走番外地・決斗零下30度』からで、それ以前の作品は“網走番外地大会”とかいった3本立て興行かテレビ放映によるものです。シリーズ6作目のこの作品も3本立てで観た記憶があります。
網走刑務所を出所した橘真一(高倉健)は、親分亡き後の竜神組から破門されます。務所仲間の大槻(田中邦衛)からの情報で親分の死に不審を持った橘は親分が事故死した沖縄へ。沖縄へ着いた橘は、竜神組を継いだ関森(沢彰謙)が豪田(河津清三郎)組の手先となり、亡くなった親分と関係の深かったギボ建設(二本柳寛)を潰そうとしていることを知ります。橘はギボ建設に協力して……
務所仲間の谷村(千葉真一)と樫山(由利徹)が豪田組にいて橘に協力したり、事件の真相を知っているのが務所仲間の佐竹(谷隼人)だったり、佐竹と恋人の夏子(大原麗子)が関森に殺されそうになるところを助けるのがこれまた務所仲間の鬼寅(嵐寛寿郎)だったりと、ご都合主義的展開ですが、母を捜しに沖縄へ来た少年(町田正則)と橘との交情などホロリとさせられるところもあって内容的には満足です。母親役の三原葉子がグッド。
敵方の殺し屋(吉田輝雄)との友情や、青みがかったモノクロ映像による網走刑務所の回想シーンなど、第3作『望郷篇』の焼き直しのような感じですが、イメージと音楽(主題歌の効果的な使い方)を一体化させて表現する演出にはグッときま〜す。