本日は

nostalji2015-02-11

帰省中に読んだ火坂雅志:著の『霧隠才蔵(上下巻)』(角川文庫:2009年3月25日初版発行)の感想。
関ケ原の合戦後、天下統一を目指す徳川家康は、“愛宕裏百韻”なる巻物の探索を柳生宗矩に命じます。“愛宕裏百韻”には、家康が明智光秀の謀反に加担した証拠が残されていたのね。伊賀の最高術者・霧隠才蔵は宗矩に雇われて巻物を探しますが、真田幸村もその巻物を探しており、配下の甲賀忍者・猿飛佐助が才蔵の前に立ちふさがります。
巻物争奪戦を通じて幸村の人となりに触れた才蔵は、幸村に味方して豊臣秀頼の護衛役になります。秀頼は豊臣恩顧の大名を味方にすべく密かに旅立ちますが、真田十勇士の中に裏切者がいて根来忍者や柳生兵庫助率いる柳生の一団が才蔵を襲います。
大阪城が落城し、幸村は秀頼を連れて薩摩に逃れます。徳川の重臣土井利勝は忍びの集団の総元締めとなった本多正純の権力拡大を恐れており、秀頼の安全保障を条件に正純の手が及ばない才蔵と佐助が利勝に味方して正純の謀反の陰謀を暴きます。
以上三部構成になっていて、忍者たちの秘術を駆使した戦いが繰り広げられます。才蔵の父親が織田信長(母がくノ一で信長を探っていて犯された)だったり、幸村や秀頼が大阪城で死なずに生き延びていたりと、ひと昔前の大衆小説の面白さがあります。
最近の映像技術の進歩を考えると、時代劇の復活は忍者ものなくして考えられませんな。映画創生期、目玉の松ちゃんの忍術映画が大衆をとらえたように、忍者アクションほど見ていて楽しいものはありませんからねェ。