最後に

nostalji2015-02-12

帰省中に読んだ和田竜:著の『小太郎の左腕』(小学館文庫:2011年10月4日第2刷発行)の感想。
戦国時代、領地争いをしている西国を舞台にした時代小説です。主人公は11歳の少年・雑賀小太郎。左構えの鉄砲を撃たせたら天才的な腕前なんですな。戸沢家の武将・林半右衛門が小太郎の能力を見破り、児玉家との戦いで苦境に陥った時に、小太郎の腕前を利用します。心根が優しく人殺しができない小太郎を卑怯な方法で彼を狙撃マシンにするんですが、卑怯な振る舞いだけはしないという生き様を破ったために半右衛門は自責の念に苦しむのね。
主家の戸沢図書との愛する女性を巡る確執や戦相手の児玉家の武将・花房喜兵衛との男の友情など、小太郎より半右衛門が中心の物語です。戦国時代の男の生き様が感動を呼ぶ内容になっています。
戦国時代劇は合戦シーンなどのスペクタクルな素材があってテレビより映画に向いていますが、馬に乗って槍をブンブン振り回すような殺陣ができる役者がおらず、満足できる映像ができるか疑問です。モブシーンはCG特撮などで誤魔化しは効くと思いますが、騎馬武者の殺陣となるとね。需要がなくなって久しいので、役者だけでなくスタンド・インにもいないんじゃないかなァ。