健さん関連で

nostalji2015-02-17

録画していた『緋牡丹博徒花札勝負』(1969年・東映/監督:加藤泰)を再見。シリーズ8作中の第3作目です。リアルタイムで6作まで観ています。このシリーズからスピンオフした熊虎親分(若山富三郎)を主人公にした“シルクハットの大親分”2作品に緋牡丹のお竜さん(藤純子)が登場しますが、これは未見。
『緋牡丹博徒花札勝負』には、健さんが第1作目に続いて助っ人出演しています。4作目の「二代目襲名」にも出演しており、健さんの全面バックアップという感じです。ちなみに、2作目の助っ人出演は鶴田浩二
物語は、矢野組再興のために渡世修行中の緋牡丹のお竜こと矢野竜子が、列車に轢かれかけた盲目の少女お君を助けるところから始まります。時代は明治中頃の名古屋。お竜は西之丸一家の客分になりますが、西之丸一家は熱田神宮勧進賭博をめぐって代議士の古田(内田朝雄)と結託した金原一家の挑発を受けています。西之丸一家の親分杉山(嵐寛寿郎)の息子次郎(石山律)と金原(小池朝雄)の養女八重子(柴田美保子)は恋仲。八重子が古田へ無理やり嫁がされることを知った次郎は金原一家に乗りこみますが、金原は女賭博師お時(沢淑子)を利用してイカサマ勝負で次郎を人質にします。お時はお竜に救われたお君の母親で、恩返しのために次郎を逃がして殺されます。次郎と八重子をお竜は大阪のおたか(清川虹子)のところへ逃がそうとして金原一家に追われますが、金原一家の客分・花岡彰吾(高倉健)に助けられるのね。花岡は一宿一飯の義理から杉山を斬ります。重傷を負った杉山は勧進賭博を終えると息をひきとり、熱田神宮へ奉納金を納めようとする代貸も殺害されます。お竜はお君に目の手術を施し、金原一家へ殴り込み。助勢するのは花岡ね。金原を倒し、花岡はひとり警察へ。お竜さんを刑務所にはやれないものねェ。
この作品はシリーズ最高傑作と云われています。加藤泰の日本的様式性と幻想的な情感が映像美となって結集しています。冒頭の西之丸一家でお竜が仁義をきるシーンなんて最高ですよ。花岡がお竜から傘を借りるシーンの、手から手へのクローズアップも良いね。「あの堀川端での手のぬくもりが、忘れていたお袋の、あったけえ味と同じだったからかも知れませんね」というラストのセリフに活きてきます。自己犠牲に徹した健さんのいさぎよい生き方、いさぎよい言葉、いさぎよい眼の光に惚れぼれで〜す。