久方ぶりの西部劇

nostalji2015-02-23

録画したままだった『草原の野獣』(1958年/監督:フィル・カールソン)を観る。親子の対立を描いた西部劇です。
大牧場主のリー・ハケット(ヴァン・ヘフリン)にはエド(タブ・ハンター)とデービ(ジェームズ・ダーレン)という二人の息子があり、心優しいが弱気な弟デービより乱暴だが豪気なエドに自分の理想像をたくしていました。野生馬を集めるために雇った男たちの中にスー族との混血ポールがおり、エドはポールに野生馬捕獲で対抗心を持ちます。エドが以前獲り逃がした白馬をポールとエドが追いますが、ポールはエドに突き飛ばされて崖から転落死。ポールの妹クリー(キャサリン・グラント)がエド殺人罪で告発しますが、馬商人のジェンセン(レイ・ティール)がリーに取り入ろうとして偽証したためエドは釈放されます。しかし、自分が捕まえた白馬をジェンセンが謝礼として奪おうとしたため、エドはジェンセンに重傷を負わせて入牢。リーは釈放工作をしますが、エドは保安官助手(ミッキー・ショネシー)を殺して脱獄します。リーはエドを追い、悲劇的な親子対決に……
法と秩序が整備され銃を必要としない西部になっていく時代に、インディアンや無法者と戦い大牧場を築きあげたリーは銃を手放せない古いタイプの男で、自分のやり方を息子に押しつけるのね。エドは父親のやり方を真似るのですが、どうしても父親を超えることができず、インディアンに偏見を持ち、銃に頼るという悪い面ばかりが出てきます。この辺の心理描写が今イチで、人間ドラマとしての深みが出ていません。そのため、最後の親子対決が緊迫感の薄いものになりました。
画像は、デービ役のジェームズ・ダーレンとスー族との混血娘クリーのキャサリン・グラント。デービはインディアンに偏見を持っておらず、クリーと愛しあいます。暴力否定主義で、父親のリーも最後にはデービの生き方が正しいと気づくんですな。ジェームズ・ダーレンはテレビドラマ『タイム・トンネル』でお馴染みになりました。