西部劇史価値だけでなく

nostalji2015-04-15

西部劇DVDの『死の拳銃狩』(1932年/監督:エドワード・L・カーン)を観る。西部劇映画史上、最初にワイアット・アープを主人公にした作品です。アープ未亡人(ジョージー)が名前の使用を認めなかったので別名になっていますけどね。
カンザスで保安官として名をはせたフレーム・ジョンソン(ウォルター・ヒューストン)が、相棒の賭博師ブレント(ハリー・ケリー)、そして二人の弟とトゥームストンへやってきます。トゥームストンはポー・ノースラップ(ラルフ・インス)がシェリフまで抱き込んで暴力で支配。治安回復のために判事(ラッセル・シンプソン)はジョンソンに連邦保安官代理に就任するよう依頼します。最初は乗気でなかったジョンソンでしたが、町の状況をみかねて就任し、町での銃の携行を禁止します。ブレントがノースラップ一味に闇討ちされ、ジョンソンはOKコラルでノースラップと決闘へ……
わずか67分の作品ですが、ジョン・ヒューストンが脚本を書いており、中身の濃い内容となっています。53年にロナルド・レーガン主演でリメイクされた『決闘の町』(DVD発売されている)の凡作とは雲泥の差ね。「カメラは傍観者の立場を捨てて、まるで劇中の一関係者となったかのごとくアクションの真っ只中に飛びこんで走り回る」と評されたOKコラルの銃撃戦は、現在の視点でも迫力ありますよ。一発で死んでいくのでなく、何発も弾丸をくらい、相手にも何発も弾丸を浴びせるような演出は従来なかったもので、当時としては斬新な作品といえま〜す。