白人ご都合主義

nostalji2015-04-23

西部劇DVDの『燃える幌馬車』(1952年/監督:ジョージ・マーシャル)を観る。インディアンに育てられた少年が成長し、白人との戦いに悩みながら、白人の世界に戻るまでを描いたインディアン西部劇です。
ジム少年は幌馬車隊がクロー族に襲われて両親を殺され、クロー族と敵対するスー族のイエロー・イーグル(アイアン・マクドナルド)に育てられます。ジムはウォーボンネットチャールトン・ヘストン)と名付けられて成長。10年後、白人がインディアンの土地にやってきたことから、協定が破られたと思い込んでスー族は戦いの準備をします。ウォーボンネットは騎兵隊の砦へ偵察に行く途中、クロー族に襲撃されているウエストン中尉(ピーター・ハンソン)の巡羅隊を救出。ウォーボンネットはウエストンの妹タリー(スーザン・モロー)や部下のマーティン軍曹(ミルバーン・ストーン)と仲良くなります。義妹のルタ(ジョーン・テイラー)がクロー族にさらわれたことを狼煙で知ったウォーボンネットは、クロー族の部落に忍び込み、ルタを救出。しかし、帰る途中でインディアン嫌いの騎兵将校に待伏せされ、ルタが殺されます。タリーと愛しあい、白人生活を思いだしていたウォーボンネットでしたが、白人と戦うことを決意。騎兵隊を利用して両親の仇であるクロー族をやっつけた後、スー族が待伏せしている場所へ騎兵隊を誘導しますが、女・子供の乗っている幌馬車隊を騎兵隊が護衛することになり、昔の自分の運命を想い出し彼らを逃がします。イエロー・イーグルに裏切者として制裁を受けますが、これはウォーボンネットを白人の社会へ帰すための思いやりの手段だったのね。
当時の西部劇では常識ですが、「悪いのは一部の好戦的な白人、白人に理解のあるインディアンは良いインディアン、主人公に恋していたインディアン娘は死に、主人公は白人娘と結ばれる」という身勝手な理屈による解決は好きになれませ〜ん。