これも上出来だが

nostalji2015-08-18

録画していた時代劇『柘榴坂の仇討』(2014年・松竹/監督:若松節朗)を観る。浅田次郎の短編を映画化した情感あふれる作品でした。
志村金吾(中井貴一)は、桜田門外で井伊大老中村吉右衛門)の行列を妨げ家宝の槍を奪って逃げた男・佐橋十兵衛(阿部寛)を追ったために大老を守れず、大老は暗殺されてしまいます。藩からは切腹を許されず、生き残った水戸浪士を討ち取るように命じられるのね。以来13年、献身的な妻(広末涼子)に支えられ、仇を捜し続けます。維新後、巡査となった友人の新之助高嶋政宏)の協力で元幕臣の警部の秋元(藤竜也)に会い、刺客の最後の生き残り・佐橋十兵衛の居場所を知ります。仇討禁止令が布告された日、直吉と名を変え人力車夫となって孤独に生きてきた十兵衛に金吾は会い、金吾を乗せた人力車は十兵衛が刺客仲間との合流に遅れて死に損なった柘榴坂へ……
価値観が変革する時代を背景に、死に損なった二人の男が希望を見出すラストは爽やかです。夫が本懐を遂げたら自分には歓びでなく悲しみしか残らないという妻の心情を広末涼子が好演。出来の良い作品なんですが、何か物足りませ〜ん。