低予算作品だが

nostalji2015-08-21

録画保存していた時代劇『十兵衛暗殺剣』(1964年・東映/監督:倉田準二)を再見。“柳生武芸帳”シリーズ全9作あるうちの最終作です。
将軍家の剣法指南役である柳生新陰流に対して、新陰流の始祖・上泉信綱から印可を得て正統を名乗る直新陰流の幕屋大休(大友柳太朗)が柳生十兵衛近衛十四郎)に挑戦します。柳生道場の門弟を倒した大休を追って十兵衛は近江の国・竹生島へ……
柳生武芸帳”シリーズは全てモノクロで、近衛十四郎の殺陣を中心とした物語なので東映らしい華やかさはありません。中でもこの作品は、エキストラを大量に使ったモブシーンもなければ、彩となる宴会シーンもありません。女優も地味ね。大勢を相手に斬りまくる近衛の流麗な立回りも見られませんが、1対1のリアリズム剣法は充分にチャンバラの面白さを引き出し、玄人受けする傑作になっています。
画像は、幕屋大休の大友柳太朗。近衛の十兵衛が強いのはこれまでの中で既成の事実として出来上がっており、それに対抗する相手として大友の大休は申し分ありませんでした。大友大休の魅力についてはここへ⇒http://www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/orm3/orm33.htm