基本無視では

nostalji2015-09-18

録画していた時代劇『超高速!参勤交代』(2014年・松竹/監督:本木克英)を観る。5日間で参勤交代せよ、という幕府の無理難題を藩主と藩士が一丸となって立ち向かうコメディ時代劇です。
黄銅鉱を金と間違えた幕府隠密の報告で、その金山を手に入れるために老中・松平信祝陣内孝則)が参勤交代を終えたばかりの磐城・湯長谷藩に5日以内に参勤交代するように命じるんですな。家老(西村雅彦)の知恵で、藩主(佐々木蔵之介)以下選ばれた藩士たちは山越えをして近道をし、人が見ている宿場町では渡り中間を雇って大名行列に見せかけるという作戦をたてます。道案内として忍者(伊原剛史)が雇われますが……
考証的にはおかしいところだらけで、時代劇としては欠陥作品です。参勤交代を命じられた理由が、金山の報告を怠った理由を釈明せよ、というもので、これなら参勤交代しなくても藩主が江戸城に参内すればいいだけの話です。つまり、物々しい行列は必要ないのね。期限までに到着できるか、という話はこれまでたくさんありすぎるので、無理やり参勤交代をくっつけたという感じです。筆頭老中でもない松平信祝が幕府隠密(吉宗時代なのでお庭番)を使うのもね。別に松平信祝が雇った忍者集団でもいいわけです。遊女(深田恭子)が筆頭老中(石橋蓮司)の前で演説するのはまだしも、すぐに藩主の側室になったのはビックリ。深キョン・ファンへのサービス?
役者たちの好演で面白いものになっていますが、同じ期日までに到着の参勤交代ドラマなら現在BSプライムで放送中の『一路』の方が時代劇として楽しめま〜す。