かつては伝統的ジャンル

nostalji2016-01-14

録画していた『エクソダス:神と王』(2014年/監督:リドリー・スコット)を観る。旧約聖書の「出エジプト記」をベースにした大作史劇です。
王女に拾われエジプト国王の息子ラムセス(ジョエル・エドガートン)と兄弟同様に育てられたモーゼ(クリスチャン・ベイル)は、国王セティ(ジョン・タートゥーロ)の信頼も厚く、民からも慕われる存在でした。しかし、セティの死後、王位についたラムセスとって邪魔な存在となります。ヘブライ人の長老(ベン・キングズレー)から自分がヘブライ人であることを知らされたモーゼは、ヘブライ人を鞭打ちしていたエジプト人を殺し、国外追放されます。その後、羊飼いとして家庭を持ちますが、神の啓示を受け、奴隷同様の生活をしている40万人のヘブライ人を救うためにエジプトへ帰還し、ラムセスにヘブライ人の国外退去を提案。ラムセスは拒否しますが、ナイル川が真っ赤な血に染まり、カエルの大量発生など10の災いがエジプト人を襲います。ラムセスはモーゼに屈し、ヘブライ人を開放しますが、すぐに軍を率いて約束の地を目指すモーゼたち一行を追跡。モーゼたちは紅海を目の前にして……
どうしてもデミルの『十戒』(1958年)と比べちゃいますね。特撮技術の進歩で視覚効果(特に十の災いシーン)は素晴らしいものになっていますが、全体的にスペクタクルの迫力は感じません。紅海が真っ二つに割れるシーンは期待外れ(割れないのだ)でした。威風堂々としたチャールトン・ヘストンより人間臭いクリスチャン・ベイルに好感を持ちましたが、敵役が弱いです。モーゼを殺そうとするラムセスの母親役のシガニー・ウィーバーなんか、もっと存在感があってもいいんですけどね。この手の歴史劇は、かつてはハリウッドを代表するジャンルでしたが、今ではコピーはアドベンチャー