昨日に続き

nostalji2016-02-10

西部劇DVDの『曠原の志士』(1925年/監督:キング・バゴット)を観る。ホンモノの西部男として西部劇に君臨したウィリアム・S・ハート主演の無声映画です。幼い頃に西部のダコタに移住し、15歳までスー族居留地のそばに住んでいたことから西部への愛着が根付きました。舞台俳優を経て映画デビューしたのは40代でしたが、無骨ながらも品性が高く、男の哲学が感じられるキャラは西部劇のヒーローにぴったしでたちまち人気スターに。
この作品は、S・ハートがユナイト社に参加しての第1回主演作で彼の晩年の代表作と云われています。日本で公開された時は、徳川無声が弁士をして批評家たちが激賞したとのこと。
内容は、流れ者のカウボーイ(ウィリアム・S・ハート)が、ランドラッシュ(ヨーイドンで一斉に駆け出して土地を所有する競争)に参加するためにやってきた開拓民の娘(バーバラ・ベッドフォード)と愛しあい、腰を落ち着けるために彼も参加することになります。娘の腹黒い義兄(J・ゴールド・ラッセル)が主人公に恨みを持っていて、娘に横恋慕している男とグルになって、主人公が競走を抜け駆けしたといって逮捕させるんですな。しかし、ランドラッシュの当日、主人公は脱走して競走に加わり、警備員を殺して抜け駆けした義兄と仲間をやっつけ、二人を犯人と認めた軍隊が逮捕します。主人公と娘は結ばれ、メデタシ、メデタシ。
原題は荒野を回転するタンブルウィードで、主人公のカウボーイ人生を表しています。ラストでタンブルウィードが柵に絡まって止まるのが、この映画を象徴していますね。クライマックスのランドラッシュが見せ場です。鞍に尻がピッタリはりついてS・ハートの乗馬姿は見事です。全然ブレないんですよ。映画そのものは上出来とは思えませんが、S・ハートを見ることができたので満足で〜す。