卵が先か、鶏が先か

nostalji2016-03-16

録画していた『プリデスティネーション』(2014年/監督:マイケル&ピーター・スピエリッグ)を観る。ロバート・A・ハインラインの『輪廻の蛇』を原作とする本格SFです。
時空警察のエージェント(イーサン・ホーク)が連続爆弾魔を阻止するために1970年のニューヨークへやってきてバーテンダーをしているのですが、そこへジョン(サラ・スヌーク)という青年が現れて身の上話をします。ジョンは女の子ジェーンとして生まれ孤児院で育ち、18歳の時に流れ者の男と恋に落ち子どもを授かりますが相手は蒸発、生まれた子どもは誘拐されて行方知れず、ジェーンは両性惧有種で出産時に命の危機にさらされ男になったと言うのね。バーテンダーは爆弾魔逮捕を最後の仕事と考えており、ジョンが自分の後継者となることを条件に、突然消えたかつての恋人への復讐のチャンスを与える約束をします。ジョンはバーテンダーの時標変界キット(携帯タイムマシン)によって1963年にタイムスリップしますが……
タイムパラドックスSFの傑作『夏への扉』のハインラインの原作とあって、この作品も複雑なタイムパラドックスの連続で、緊迫感があって楽しめました。派手なアクションシーンはなく、単純なSFアクションが好みの人には少し難解で退屈に感じるでしょうね。タイムループによる矛盾を見事に描き出した隠れた良品といえます。
画像は、サラ・スヌーク。自信にあふれる女と冴えない女の両面性を持ち、さらに男へ転換と見事な演技です。今後注目したい女優で〜す。