西部劇の音楽家

nostalji2016-05-28

CDを聞きながら調べものをする。先週、『エンニオ・モリコーネ映画大全』を読了し、モリコーネマカロニウエスタンを代表する音楽家なら、西部劇を代表する音楽家は誰だろうと考えました。名曲を残した作曲家は多くいますが、代表者となると20曲以上作っていないとね。でもって、私が考えた西部劇の三大音楽家は、マックス・スタイナーディミトリ・ティオムキンエルマー・バーンスタインの3人。彼らは、時代を代表する映画音楽家でもあります。
マックス・スタイナーは、1930〜50年代を代表する映画音楽家で、1929年から65年までの37年間の作曲は全て映画音楽です。モリコーネが年に20本も作って驚いたのですが、彼はなんと30本以上作った年があるんですよ。1930年代に映画音楽がジャンルとして確立したのは、彼の功績に負うところが大きいです。『風と共に去りぬ』が超有名ですが、シンフォニックな曲調は空間的広がりを持つ西部劇にもピッタリ。西部劇は30本あり、特にエキストラをふんだんに使った大作西部劇に効果をあげています。
ディミトリ・ティオムキンは、1940〜60年代を代表する映画音楽家で、西部劇の巨匠ともいえる存在です。一度聞いたら脳裏に焼き付く強いメロディは、マカロニウエスタンの音楽にも大きく影響を及ぼしました。西部劇は、『真昼の決闘』『OK牧場の決斗』『リオ・ブラボー』『アラモ』『ローハイド(TV)』など21本。
エルマー・バーンスタインは、1960〜70年代を代表する映画音楽家で、ジャズ・サウンドが人気を呼んだ56年の『黄金の腕』で有名になりました。西部劇ではきらびやかな音色が特長で、『荒野の七人』『勇気ある追跡』など20本あり、彼の得意のレパートリーです。画像は、フェニックス交響楽団による『荒野の七人』のCDジャケット。サントラでなく、テーマ曲を含め劇中で使われた曲をアレンジして57分24秒の交響曲に仕上げたものです。サントラだと、場面、場面の展開で音楽が途切れますが、一貫して流れるとクラシック音楽の趣きがありますね。このCDには6分54秒の『ビッグ・トレイル』の音楽も収録されており、エルマー・バーンスタインの魅力を充分に伝えていま〜す。