主演の魅力

nostalji2016-06-22

テレビ時代劇『琴姫七変化』DVDボックスの「消えた十手(前・後編)」を観る。恐れられ、嫌われている鬼同心を琴姫(松山容子)が改心させる物語。鬼同心・青木左門(小堀明男)は、妹(佐治田恵子)には優しい兄だが、罪人には容赦ない男として知られています。今は堅気の小間物屋に難癖をつけている左門を琴姫はたしなめますが、左門は聞く耳を持ちません。奉行所で“十手改め”が行われることになった前日、左門は十手が失くなっていることに気づき、自分を恨んでいる人物に当たりをつけますが……
主演の松山容子は名前の通り松山出身。高校時代に『アサヒグラフ』(1956年2月号)の表紙モデルとなったことから松竹役員の目にとまり、松竹京都に入社し松山清子の芸名でデビューしました。57年の『侍ニッポン』で田村高広と共演。しかし、その後は役に恵まれません。59年に日本電波映画を設立した松本常保は松竹と関係が深く、その第1回作品である『天馬天平』(フジテレビ系列で1960年5月5日〜61年7月19日放送)に出演する女優を物色していました。出演機会の少ない若手女優の中から清子から容子に名前を変えた彼女を起用。松本常保は、「勤王のお姫様を振りあててみたところ、若衆髷の黒地の着物、袴姿の彼女を見て驚きました。大きな瞳とキリリとした口元がりりしく、素晴らしい気品とお色気が漂うのです」と、自伝で語っています。
彼女の加入で『天馬天平』は人気ドラマとなり、そのお姫様ぶりが大塚製薬の社長の目にとまります。「彼女のお姫様を主人公にした時代劇を作れませんか」と、『頓馬天狗』(日本テレビ系列で59年9月5日〜60年12月24日放送)の後番組を考えていた大塚製薬宣伝部の提案を受けて企画されたのが『琴姫七変化』なので〜す。