ガン・サムライ?

nostalji2016-07-11

友人が送ってくれたDVD『花と嵐とギャング』(1961年・ニュー東映/監督:石井輝男)を観る。任侠路線でブレイクする前の健さんを追いかけてみようと思いましてね。東映といえば時代劇で、現代劇はリアルタイムでは殆ど観ていないんですよ。
『花と嵐とギャング』は、倒産寸前の新東宝を退社した石井輝男東映入社第1回作品です。母親(清川虹子)をはじめ子どもたち全部が悪の世界で暮らしている一家がありまして、スマイリー健(高倉健)はその一家の長女・佐和(小宮光江)の亭主。健は河北(佐々木孝丸)組の一員で、佐和の兄は香港ジョー(鶴田浩二)と呼ばれる組の幹部。河北組東京支部の山藤(沖竜次)は銀行強盗を計画し、健に指揮を任せます。健は佐和の弟・正夫(小川守)、それに犬猿の仲である楽隊(江原真二郎)とウイスパー(曽根晴美)を率いて銀行を襲撃し5千万の強奪に成功。しかし、ドサクサに紛れてウイスパーが楽隊を撃つという事件を起こします。5千万の金は正夫が持ち逃げし、恋人・圭子(新井茂子)と逃亡。健と佐和は神戸の河北に掛け合いにいって佐和が人質にとられます。河北は情婦(八代万智子)が佐和を殺そうと毒を入れた水を誤って飲んで死ぬのね。山藤に追われていた正夫たちをジョーが逃がし、最後は5千万をめぐって、ジョー・健・ウイスパー・楽隊・山藤が正夫たちの潜む牧場で大銃撃戦。
アクションの中に笑いを盛り込み、歯切れのよい画面処理で躍動感があります。スターのいない新東宝で面白い映画作りをしていた石井輝男には、スターを見せる映画作りをしていた東映スタッフに対してとまどうことが多かったようです。この作品でも、健さんをはじめ江原真二郎曽根晴美が活き活きしているのに対して、大スターの鶴田は場違いのような雰囲気で石井輝男はやりにくかったと思いますよ。
キャッチコピーは“ずらり悪党!現ナマ5千万円を狙うガン・サムライ”ね。ガン・サムライって何だ。意味不明。