昨日に続き

nostalji2016-07-12

友人が送ってくれたDVD『恋と太陽とギャング』(1962年・ニュー東映/監督:石井輝男)を観る。昨日観た『花と嵐とギャング』の姉妹編です。
網走帰りの石浜伸夫(高倉健)は妻・典子(小宮光江)の母・真佐(清川虹子)から、国際賭博組織の幹部ロバート(ピーター・ウィリアムス)が近々開く大賭博の売上金を盗もうと計画。ところが常田(丹波哲郎)という男が同じ計画をしていて、情婦で踊り子のルミ(三原葉子)と彼女の弟・光男(山下敬二郎)を既に賭博が開催されるロバートのクラブに潜り込ませていたのね。石浜と常田は手を組むことになり、常田が資金を調達し石浜が実行することになります。石浜に雇われて網走仲間の拳銃使いの衆木(江原真二郎)と川岸(曽根晴美)、電気工事の亀田(由利徹)が参加。ルミは中国人・黄(三島雅夫)から資金借出しに成功しますが、黄は何かあると睨んで子分(亀石征一郎)に探らせます。計画は成功しますが、ルミが金を持ち逃げしようとしたことからトラブル発生。追ってきたロバート一味の殺し屋(山本麟一)たちと撃ちあいになり、金を横取りしようとする黄一味も加わって銃撃戦となります。黄一味と川岸は銃撃戦で死に、石浜・常田・衆木・ルミの4人は衆木の親友・山内(千葉真一)のビラまきヘリコプターで山内の住む孤島に逃げますが、ロバート一味が追いかけてきて……
東宝時代の丹波哲郎三原葉子が加わり、石井輝男は自由に演出していますね。“フランス調のしゃれたギャング映画”という石井監督の狙い通り、皮肉なラストまで石井ワールドが展開します。大島渚の『天草四郎』(大川橋蔵:主演)との二本立てで上映されたのですが、予想外の不入りで、この作品はわずか4日で次週上映予定の『千姫と秀頼』に差し替えられました。不入りの原因は『天草四郎時貞』の方にあったというのが一般的評価ですが、巨匠+大スターの『天草四郎』を外すことはできず、所詮添え物的位置づけだった本作品が外されました。まだまだ時代劇の東映だったので〜す。