時代劇でなくチャンバラ映画

nostalji2016-07-30

友人が送ってくれた時代劇DVD『修羅時鳥』(1957年・東映/監督:萩原遼)を観る。時鳥(ホトトギス)の蒔絵を施した櫛をめぐって、戦いが繰り広げられる吉川英治原作の娯楽時代劇です。
戸狩弾十郎(加賀邦男)に襲われた銀荘左衛門の死に立ち会った門兵衛(渡辺篤)と阿波次郎(徳大寺伸)は、百万両の財産の相続者の証明である時鳥の櫛を持っている荘左衛門の子・荘太郎(大川橋蔵)を捜しに江戸にやって来ます。二人は櫛を奪って、相続人になろうと考えていたのね。荘太郎は本多家の若殿・亀之助に横恋慕されている許嫁・衣江(田代百合子)を本多家から救い出し、知人の旗本・渋川十蔵(月形龍之介)の屋敷に身を寄せます。しかし、本多家から逃走した時に荘太郎から預かった時鳥の櫛を落としたため、衣江はそれを探しに行って本多家の家老・犬山勘解由(清川荘司)に拉致されます。勘解由こそ、弾十郎を使って銀家の財産を奪おうと企んでいた黒幕。門兵衛と阿波次郎は、弾十郎に脅されて子分になり、櫛を探しますが、櫛は転々と人手に渡り……
御都合主義的展開で内容は褒められたものではありませんが、チャンバラの楽しさは味わえます。最近は身体がぶつかりあうような殺陣ばかりで、この作品に見られる舞踊のような殺陣は逆に新鮮ですね。大川橋蔵の立回りは、殺陣に迫力がなくて古くからの時代劇ファン(チャンバリスト)の評判は今イチなのですが、流麗な動きは現在の役者がマネしようとしてもできるもんじゃありません。リアルさよりも、斬って斬って斬りまくる美しさのある殺陣も良いもので〜す。