時代劇は東映

nostalji2016-09-02

友人が送ってくれた東映時代劇『隠密七生記』(1958年/監督:松田定次)を観る。吉川英治の原作で、新東宝でも映画化(既見)しているので興味が惹かれましてね。
次の将軍後継者を決める前将軍の遺言書が名古屋城天守閣から奪われ、警護役だった椿源太郎(東千代之介)は奪った相楽三平(中村錦之助)を追います。源太郎の妹・信乃(桜町弘子)と三平は愛しあっており、源太郎とも親友でしたが、三平は老中・阿部備前守月形龍之介)に命じられた幕府の隠密だったのね。源太郎は三平との共謀を藩主・宗春(里見浩太朗)に疑われますが、家老の成瀬志摩守(大河内伝次郎)は娘・墨江(美空ひばり)と恋仲の源太郎を信じ、源太郎に10日間の猶予を与えます。三平に追いついた源太郎は靭峠で対決。源太郎は落雷で気を失い道中師のお駒(長谷川裕見子)に助けられます。阿部備前守配下の久世右馬之丞(山形勲)の屋敷にたどり着いた三平でしたが、追ってきた信乃に遺言状を奪われ……
松田定次作品らしくキャスティングは豪華。エキストラ(東映大部屋俳優)をふんだんに使ったモブシーンに東映全盛期を感じさせます。新東宝版と比べると、錦之助出演のため相楽三平が椿源太郎と互角の扱いになっていますね。三平と信乃の切ない恋が主筋といえるくらいで、源太郎をめぐる墨江やお駒の絡みは付け足しに過ぎませ〜ん。
東宝版『隠密七生記』はここへ⇒http://d.hatena.ne.jp/nostalji/20130802