最後に

nostalji2016-09-09

友人が送ってくれた東映時代劇『竜虎捕物陣』(1957年/監督:内出好吉)の「一番手柄:百万両秘面」と「二番手柄:疾風白狐党」を観る。原作のない結束信二のオリジナル脚本で、二本立て・三本立て用に上映時間1時間弱で作られた通称“東映娯楽版”です。他社でも同様の作品(松竹のシスター映画など)がありますが、東映の特長は“新諸国物語”シリーズのように年少者をターゲットに連続物にしたことですね。この作品も2週連続上映されています。
「一番手柄:百万両秘面」は、江戸城の間道地図が彫られている4枚の般若面をめぐって暗躍する悪旗本(佐々木孝丸)と悪商人(吉田義夫)を、大目付を叔父(薄田研二)に持つ早川竜太郎(伏見扇太郎)と岡っ引きの十文字虎吉(尾上鯉之助)が捕まえる物語。
「二番手柄:疾風白狐党」は、白狐党の砂金を横領して首領(佐々木孝丸)の娘を人質にした旗本(吉田義夫)と、旗本の娘を誘拐した白狐党の紛争を竜太郎と虎吉が解決する物語。
年少者が感情移入しやすいように虎吉の子分に少年(宮崎照男)を配し、内容もヒロイン(円山栄子)の危難を救った竜太郎が事件に巻き込まれ、虎吉と恋人・お栄(星美智子)との痴話喧嘩をはさみ、悪党たちが勝手に動いて事件の全貌がわかり、最後に大目付が上意書を持って駆けつけ、メデタシ、メデタシとなる単純なものです。伏見扇太郎は少年少女ファンに人気がありましたが、童顔のせいか大人向け作品には縁がなかったですねェ。