殺陣がみたくて

nostalji2016-10-07

友人に頼んで送ってもらった東映時代劇『二刀流雪柳』(1956年/監督:深田金之助)を観る。原作は五味康祐の剣豪小説ね。
膳所藩剣道指南役の娘・梨香(千原しのぶ)は知心二刀流の達人で、父に代わって家老・上原主水正(加賀邦男)の推挙する武芸者を藩主(岡譲二)の前で下します。主水正は梨香を庇護する同じ家老の脇月主膳(堀正夫)と政権争いをしていたのね。主水正の用人・高浜(水野浩)は、激怒する主水正をなだめるために天才と噂される阿波の郷士・中島宗吉(伏見扇太郎)を推挙します。宗吉は梨香と立ち合い、勝利を得ますが、それは主水正の配下によって梨香が注意をそらされたためだったのね。宗吉は主水正からの仕官の推挙を断り、梨香の道場を訪ねます。宗吉と梨香は知心流の奥儀・雪柳を極めるために修行。梨香にふられ、梨香と宗吉の仲に嫉妬した主膳の息子・甚四郎(楠本健二)は、仲間3人と宗吉の留守に素手の梨香を暗殺します。それから2年、雪柳の秘技を取得した宗吉は甚四郎たち4人の前に現れ……
必殺技の立回りを期待したのですが、4人が一斉に斬りかかった瞬間、全員が倒れ、宗吉は二刀抜いて佇んでいるだけ。誰にもわからぬ秘技でしたな。チャンバラは、3人を相手に戦う武芸者を宗吉が目撃するシーンだけ。後は、刀を構え、顔のクローズアップ、斬りかかった相手が倒れるというパターンの繰り返しで、殺陣の醍醐味はありません。期待外れ!