これも殺陣が見たくて

nostalji2016-10-08

友人に頼んで送ってもらった東映時代劇『祇園の暗殺者』(1962年/監督:内出好吉)を観る。
薩摩藩士・志戸原兼作(近衛十四郎)は、土佐の武市瑞山佐藤慶)や吉岡寅之助(伏見扇太郎)たちと手を握り、佐幕派天誅の暗殺をしていました。元は漁師という薩摩の浪士・田代新次郎(菅貫太郎)が、兼作にあこがれて弟子入り。島田左近を新次郎が勝手に襲い、新次郎を逃がすために兼作は傷を負います。役人に追われた兼作は、お鶴(北沢典子)という娘に助けられますが、お鶴はかつて暗殺した目明し(吉田義夫)の娘だったのね。お鶴はそのことを知らず、兼作は貧しい生活からお鶴を救うために馴染みの芸妓(千原しのぶ)に預けます。人斬り稼業に愛想がつきた兼作は、瑞山から江戸や水戸の浪士を集めることを頼まれ江戸へ。薩摩屋敷で大久保市蔵(原田甲子太郎)から、兼作はテロ活動強化のために瑞山の邪魔な存在になっていると知らされます。京に戻ると、お鶴は新次郎と恋仲になっており、新次郎は瑞山に命じられるままに人斬りに……
史実にある目明し文吉・島田左近・本間精一郎・石部宿襲撃などの暗殺事件を織り込み、薩摩・土佐・長州の勢力争いを背景に、人間性に目覚めた暗殺者の運命を描いた骨太の作品になっています。笠原和夫らしい脚本ですな。吉岡寅之助は吉村寅太郎を、田代新次郎は田中新兵衛をモデルにしていますね。幕末映画の面白味はあるものの、近衛十四郎のチャンバラを期待していた私にとっては何じゃコリャです。集団相手の立回りがないだけでなく、最後は逃げ回るだけで、拳銃に撃たれてエンド。期待外れ!