完全版だが

nostalji2016-11-17

ダビングして持って来た『花と龍』(1973年・松竹/監督:加藤泰)を観る。青雲・愛憎・怒涛編からなる168分の大作です。尾崎士郎の『人生劇場』と並ぶ、火野葦平の任侠文芸を完全映画化しています。
若松にやってきた玉井金五郎(渡哲也)とマン(香山美子)の夫婦は沖仲仕(ゴンゾ)の永田組に身を寄せます。金五郎は頭角を現し、酔いどれの永田(笠智衆)に代わって、港湾荷役の独占を狙う友田組と対決。連合組の総帥・大庭(汐路章)に誘われて賭場に言った金五郎は、蝶々牡丹のお京(倍賞美津子)と出会います。お京の手により、花と龍の刺青が彫り上げられ金五郎はお京と深い仲になるのね。そのことを知ったマンは息子の勝則をつれて家を出ますが、駅で盲腸で困っている渡世人・唐獅子の五郎(石坂浩二)の息子・十郎を救い、夫のもとへ戻ろうと決意。玉井組の看板をあげ、力をつけてくる金五郎を友田(佐藤慶)は敵対し、友田組の客分・栗田の銀五(田宮二郎)と島村ギン(任田順好)が金五郎を襲いますが、銀五はとどめをささずに去ります。十数年後、金五郎は沖仲仕組合の総帥になっており、大学を卒業した勝則(竹脇無我)が遊女の光子(太地喜和子)と愛し合い、妓楼から光子を足抜けさせますが、それが友田の妓楼だったことから友田と再び敵対関係になります。金五郎を憎むお京との間に生まれた娘・お葉(倍賞美津子の二役)が現れ……
映画で6度、テレビドラマでも4度映像化されていますが、ほとんどが玉井金五郎の出世物語なんですが、この作品は金五郎と勝則の、父と子の二代の青春ドラマになっています。そのため、焦点が定まらず、散漫となりましたね。渡哲也の老け役も似合っていなかったしね。
渡哲也は1970年にNET(現:テレビ朝日)系で放送(全9回)された『花と龍』で玉井金五郎を演じており、画像は渡哲也がその時歌った主題歌のレコードジャケット。映画の方は美空ひばりが主題歌を歌っていま〜す。