意外でもない事実

nostalji2016-11-19

移動や待ち時間で読んでいた中江克己:著の『江戸の怪』(祥伝社黄金文庫:2000年10月10日第1刷発行)を読了。
「江戸で起きた、謎の怪事件」「幕府を揺るがす奇怪な出来事」「怪異な事件の真相」「本当に不可解!男と女の事件簿」「死んだはずの人物が生きていた!不思議な話」「もののけか怨念か、奇怪・異様な出来事」の6章からなり、とりあげた謎は全部で46話あります。時代劇ファンなら一度は耳にしたことがある話を、著者なりに解釈しています。広く薄くといった感じで、深い分析はなく、思いつき程度ですな。
豊臣秀頼大阪城から脱出して生き延びたという生存説は、当初は秀頼の同情からひそかに語られていたのを、徳川幕府が世情安定のために意図的に拡大させたというのは面白い解釈です。家康が謀略をめぐらして、豊臣家を滅ぼし、天下を奪い取ったという悪評を薄める効果を考えたというのね。
現代からすれば、ただの人騒がせな事件ばかりですが、将軍家治毒殺の噂などは、小説のネタになりそうで〜す。