逆の使い回し

nostalji2016-12-06

友人に頼んで送ってもらった東映時代劇『風小僧』の「やまびこ剣法」と「偽金地獄」を観る。
『風小僧』は、NET(現 :テレビ朝日)系列で1959年2月3日〜12月29日に放送(全48回)された東映テレビ映画が初めて製作した子供向けテレビ時代劇です。当時東映は、開局間もないNETの大株主であったことから安い番組製作費での量産態勢を整え、放送時間を埋めることが急務だったのです。当時東映撮影所の製作課長だった岡田茂は、「美剣士やスーパーマン的な“風神”などが活躍する子供が喜びそうなテレビ映画を作らなければならなくなった。ストーリーは美男子が悪玉をやっつけるという単純な話がいい。子供に受けるにはそれが一番いいと考え、若いシナリオライター、と言ってもそれは社員のライターだが、彼らに面白い本を書かせ、ニューフェース上がりの若い俳優に出演してもらい、三五ミリで撮った。映画会社が本格的にテレビ映画を作った最初だった」と語っています。
原版やポジフィルムは残っていませんが、東映特別娯楽版として前後編を編集して劇場公開した劇場用ブローアップ版のフィルムが残っています。今回観たのはそれです。
「やまびこ剣法」(1959年11月17日公開)は、行方不明になっている父の帰りを待つ娘(円山栄子)を助けて風小僧(山城新伍)が金山を奪おうとする悪党をやっつける物語。やまびこ剣法というのは、風小僧が編み出した剣法なのです。
「偽金地獄」(1959年12月15日公開)は、帰ってこない鍛冶屋職人の兄を捜す娘(月笛好子)を助けて、風小僧が偽金作りの一味をやっつける物語。風小僧の友達、八田陸斎(佐橋敏一)・玉緒(光美知子)・正作(目方誠)・久太(山本順大)が助けを呼ぶと風小僧がやって来るので〜す。