白馬童子の前に

nostalji2016-12-07

友人に頼んで送ってもらった東映時代劇『風小僧』の「仇討あばれ獅子」と「盗賊烏天狗」を観る。
「仇討あばれ獅子」(1959年12月22日公開)は、風小僧が姉弟を助けて仇討の助太刀をする物語。鈴木美祢(松風利栄子)・玄太郎(嵐歌之介)の姉妹は、ヒヒ神の生贄といって村娘をさらい、バカ殿(月形哲之介)に献上していた村上軍蔵に父を殺され、仇と狙っていましたが、逆に軍蔵一味に襲われ、獅子舞姿の風小僧(山城新伍)に助けられます。風小僧は八田陸斎(佐橋敏一)のヒヒ退治を助け、軍蔵の陰謀を見破り、美祢と玄太郎の助太刀をしてメデタシ、メデタシ。山城新伍獅子頭をつけた獅子舞姿での立回りが見ものです。
「盗賊烏天狗」(1959年12月22日公開)は、塩を奪って民を苦しめる盗賊烏天狗を風小僧がやっつける物語。安曇領に運ばれてくる塩が謀反を企む曲山刑部の配下・烏天狗によって奪われます。安曇城の重臣の娘・ともえ(霧島八千代)は、塩を手に入れるために磐城の国へ。烏天狗に襲われたともえを大天狗姿の風小僧(山城新伍)が助けます。風小僧の正体である磐城領主・鏑木小六は家老の上月左門(団徳磨)に命じて塩を用意。八田陸斎・玉緒(光美知子)・正作(目方誠)・久太(山本順大)が人足頭の馬八(小田部公麿)と塩を運びます。塩を奪おうとする曲山刑部と烏天狗を風小僧が成敗してメデタシ、メデタシ。山城新伍の高下駄を履いた大天狗姿での立回りが見ものです。
山城新伍は『白馬童子』が有名ですが、名前が知られるようになったのは、この『風小僧』からです。山城新伍は1957年に山城高校(芸名の由来)を卒業し、同年第4期ニューフェース(同期に室田日出夫・曾根晴美・水木襄・佐久間良子・花園ひろみがいる)として東映に入社。翌58年に『台風息子』でデビューしたものの役らしい役はなく、演技らしい演技、芝居らしい芝居をさせてくれるというので仕方なく出たテレビ映画が『風小僧』だったので〜す。