討ち入り関連で

nostalji2016-12-15

友人に送ってもらった東映時代劇『赤穂義士』(1957年/監督:伊賀山正光)を観る。ナレーションの代わりに、春日井梅鶯・天津羽衣春野百合子松平国十郎らの浪曲によって物語が進行する浪曲時代劇です。
浅野内匠頭(尾上鯉之助)が吉良上野介吉田義夫)に殿中で刃傷におよび、御家が断絶します。残された家臣の多くは分配金をもらって逃げ出し、城代家老大石内蔵助大河内伝次郎)は殉死覚悟の残った家臣と仇討ちを血盟。矢頭右衛門七(伏見扇太郎)も許婚者のお文(丘さとみ)を振り切り、城へ駆けつけます。浅野家に恩のある浪速商人・天野屋利兵衛(月形龍之介)も赤穂に駆けつけ、城を明け渡した内蔵助の本心を理解。内蔵助の依頼で、禁制の討ち入り道具を準備しますが、奉行所に知れ、捕らえられます。奉行・松野河内守(薄田研二)の前で過酷な吟味が行われますが……
浪曲全盛の1950年代までだったら観客はそれなりに楽しんだのでしょうが、映画としてみるならナレーションと浪曲ではテンポが遅すぎます。「ぐっと〜、見かわす〜、顔と顔ぉぉ〜」ですからね。ただ、討ち入りシーンの集団殺陣は見ものです。赤穂浪士役といっても名の知れているのは伏見扇太郎くらいで、あとはB・C級の役者ばかりですが、斬り役も、斬られ役も躍動感ある立回りを見せてくれます。殺陣の基礎から叩き込まれた大部屋俳優が多勢いた時代劇全盛のチャンバラで〜す。