未見の柳太朗作品

nostalji2017-01-04

友人から送ってもらった東映時代劇『復讐侠艶録』(1956年/監督:小沢茂弘)を観る。不正政治を行う田沼意次の野望を、目的の異なる二人の男が粉砕するチャンバラ時代劇です。
大老の座を狙う田沼意次進藤英太郎)は水戸家の推薦を得るために、謀反人として処刑された儒学者山県大弐の入門控帳を手に入れます。入門控帳には水戸藩士が連名しており、水戸家への脅迫材料にするんですな。水戸藩士の越坂玄次郎(大友柳太朗)は入門控帳を奪い返すために浪人姿となって田沼を見張り、玄次郎の妹・文江(田代百合子)は腰元となって田沼家に潜入。大弐の息子・大八(大川橋蔵)は錦と名を替え、田沼と結託する豪商たちから金を奪う義賊・三日月お才(日高澄子)の仲間となり、田沼への復讐の機会を待ちます。田沼屋敷に忍び込んだ大八は文江と出会い……
王政復古を唱えていた山県大弐が処刑された明和事件は史実ですが、あとは全部フィクションね。大川橋蔵のデビュー2年目の作品で、女装して田沼屋敷に潜入するシーンは歌舞伎の女形出身という経歴を活かしたものですな。大友柳太朗の大きな構えから繰り出される立回りは彼独特のもので、現在の役者では真似のできないものです。大友はんの殺陣を見ているだけで楽しいので〜す。