SF冒険活劇

nostalji2017-01-17

友人から送ってもらった『少年探偵団・かぶと虫の妖奇&鉄塔の怪人』(1957年・東映/監督:関川秀雄)を観る。東映の“少年探偵団”シリーズは全部で9本作られていますが、前後編形式で最後の1本だけが1話完結ね。今回は3〜4本目となります。
前作で明智小五郎岡田英次)に捕まった怪人二十面相加藤嘉)が刑務所から脱獄し、新型原子炉の秘密設計図を狙います。不敵にもテレビ電波を使って、明智や少年探偵団、そして警視庁に挑戦。5万ボルトの電流や頑丈な壁をものともせず、二十面相の操縦する巨大かぶと虫型戦車トが原子力研究所を破壊。明智の機転で設計図は奪われなかったものの、警備にあたっていた小林少年(小森康充)たち4人の少年探偵団員がさらわれ……(かぶと虫の妖奇)
廃工場の地下に捕らえられていた小林少年は脱出に成功しますが、明智や警視庁の先手をうって反撃。かぶと虫戦車隊が残った少年探偵団員及び原子炉設計者の吉川博士(増田順二)と娘の芳江(小宮光江)を襲い、全員を二十面相のアジト・鉄塔王国へ連れ去ります。明智と対峙して勝ち誇る二十面相の隙をついて自動車のトランクにもぐりこんだ小林少年は鉄塔王国へ潜入。テレビ電波から鉄塔王国は北穂高にあることがわかり、小林少年の連絡で明智はヘリコプターで空から乗り込みます。地上数百メートルの鉄塔で二十面相は明智と激闘し、落下……(鉄塔の怪人)
東映シリーズの二十面相は単なる怪盗でなく、国際スパイ団の首領という設定で、色々な新兵器を駆使します。かぶと虫戦車は、自動車に張子のかぶと虫で覆ったものですが、目が光り、角がドリルのように回転する凝ったものだし、鉄塔王国の全体像は書割によるものですがスケール感があり、少年向け映画といえども特撮技術には力を入れていますね。
加藤嘉の二十面相は線が細く、真面目で、胡散臭かった南原宏治と比べると見劣りがします。岡田英次も地味だよねェ。加藤嘉岡田英次も名優ですが、この手の荒唐無稽な娯楽作品には違和感ありで〜す。