続きは東映で

nostalji2017-02-27

友人に送ってもらった東映時代劇『人形佐七捕物帖・般若の面』(1960年/監督:山崎大助)を観る。若山富三郎の“人形佐七捕物帖”は新東宝で5本、東映で6本作られており、これは東映でのシリーズ1作目です。
風流六歌仙と称する茨木屋鵬斎(永田靖)・絵師の采女(加賀邦男)・噺家の扇馬(沢村宗之助)・幇間の鳶平(星十郎)・俳諧師の蝶雨(中村時之介)・芸者のお駒(日高澄子)が、各自の名前を書いた般若の絵を筒に入れ、6羽の鳩にくくって空に放ち、回収できた者に賞金を出すという我が物顔の趣向が行われて江戸町民の悪評を呼びます。自分たちの傘下に入らない芸術家に嫌がらせをする六歌仙に怨みを持つ者は多く、鳶平を始めとして、自分の般若の絵とともに六歌仙が次々に殺されるという事件が発生し……
父を死に追いやり、六歌仙によって襲名披露までめちゃめちゃにされた役者・文之助(尾上鯉之助)の復讐物語で、佐七は空に飛んだはずの般若の絵が死体の側にあった謎を解くだけ。子分の辰五郎(大泉滉)や与力の神崎甚五郎(黒川弥太郎)は横溝正史の原作にも登場しますが、女房お粂の代わりの恋人お照(大川恵子)はオリジナルキャラ。佐七が原作にない法善流棒術の達人というのは新東宝時代のキャラを踏襲しています。この作品でも、佐七の捜査を妨害する文之助の妹(中里阿津子)の恋人で般若の面をつけた半五郎(徳大寺伸)一味にバトンガールのように棒をビュンビュン回す殺陣を見せてくれます。謎解きより殺陣が見せ場で〜す。